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ワインフェスティバル 2

2005年 オカナガン秋のワインフェスティバル
年々、当地の「オカナガン・ワインフェスティバル」が日本人の間でも知られるようになりました。ところが、一般的に日本人が抱く『フェスティバル』とは実態がかなり異なり、当日現地に来てからガッカリされる日本人の方の姿を毎年多く目にします。ワインフェスティバルと聞くと、何やら誰でも気軽に参加が出来て、自由にその雰囲気を味わえると思われがちです。少なくとも日本では、気軽に参加の意味を「無料で参加できる」とか、「タダで楽しめる」と想像してしまいます。
しかし、実際のワインフェスティバルはそれぞれのイベント毎に予約をするか、チケットを前もって購入する必要があり、町の中は普段と何ら変わりません。突然、当地にやって来て「ワインフェスティバルはどこでやっているのですか?」という電話やメールを頂くことがとても多いのですが、事前の情報を得て、予約することやチケットを購入するということを怠ると、当地のワインフェスティバルの楽しさを体験することは不可能と言えます。また、それぞれのイベントには決められた料金があります。正直言って決して安いものではありません。これは、オカナガン地方が世界的にワインの産地としてプロモーションに力を入れる中、知名度とブランド力を高め、「安物ワインの町」ではなく、「高級志向の強い町」を目指しているからだと思われます。


ワインフェスティバル初日の夜。ケロウナ市内のホテルでワイン試飲会を兼ねた一般投票によるコンテストが開催されました。ボトルのラベルを公開せずに、純粋にワインの味だけで美味しさを判断するブラインドテイスティングという方法です。会場に集まった約600名の人たちのほとんどは地元のカナダ人です。自分が住む町で作られたワインの美味しさを確かめながら、さらにその中で一番おいしいワインを試飲しながら投票するという催しです。



私は当地のカナダ産ワインを日本に輸出販売している関係上、取引先のワイナリーから頼まれて、毎年春と秋のワインフェスティバルの会場に常駐し、ワイナリーの試飲カウンターで来場者にワインをサーブしてます。
「もしかしたら、日本人のお客さんが来るかしれないからね。」というワイナリーのオーナーの心配りなのですが、オカナガン・ワインフェスティバルで日本人の方を見かける機会はほとんどありません。写真右が私ですが、仕事とは言いながら、来場者と一緒にワインを飲んでいる時間の方が多いです。



一般市民のテイスティングの結果、最優秀賞に選ばれたのは、セントヒューバータスワイナリーのゲベルツトラミネール2004年産でした。昨年は2003年産で同じく最優秀賞に選ばれていますので、大会初の2連覇を成し遂げたことになります。確かにこのワイナリーのゲベルツは透き通った強い香りに魅了され、フローラルな味わいを最後まで楽しませてくれる上質の白ワインです。私も一番好きなワインであり、日本にも数多く輸出してますが、ワイナリーでは既に完売しています。地元でも相当の人気と売れ行きを誇っています。



ケロウナ市のワインミュージアムで開催された一般対象の試飲会です。オカナガン地方のワイナリーの中から約35社余りが参加し、決められたカウンターを設置しながら、来場者にワインをサーブします。この試飲会も年々、参加希望者が増え、チケットは早期に完売する人気のイベントです。以前はこの会場で充分なスペースだったのですが、もはや手狭であり、早急に広い会場に移す必要があると考えられます。



来場者は、いわば「飲み放題」ですから、好き勝手にワインを飲むことができます。しかし、いくら飲み放題といっても限界がありますから、カナダの人たちは本当に気に入ったワイン、興味のあるワイン、好きなワイナリーのワインにしか手を出しません。この態度が徹底していて、ワインを見極める姿勢を強く感じます。細かい質問も飛び交い、彼らのワインに対する興味の深さ、学ぼうとする姿勢に毎年感心させられます。



これは、ワイナリーのカウンター側から撮影したものです。この位置に私やワイナリーのスタッフが立ち、正面の来場者に対して、本日出品しているワインを説明しながら、指定されたワインをサーブします。通常のワインテイスティング会の場合、白ワイン2種類、赤ワイン2種類を用意します。
ちなみにこの日は、白ワインがシャスラとリースリング、赤ワインがガメイノアールとメルローでした。白ワインは氷の入った容器に入れ、赤ワインはその横に置いておきます。
多くの来場者から差し出されたグラスに素早く適量を注ぐには、かなり慣れが必要です。私はこうした会場でサーブすること、20回以上行っていますので、いつの間にかすっかり手慣れてしまいました。



立食式のワイン試飲会としては、1人70ドルという金額は正直言って「高いなあ」という印象を受けました。しかし、会場に入り、並べられた料理を見た瞬間、「これは相当お得だ!」と感じました。このイベントはケロウナ市のリゾートホテルが開催したフード&ワインの試飲会です。
アートフードと呼ぶだけあって、その料理の豪華さと美味しさに、私は唸ってしまいました。今まで数多くのワインフェスティバルの会場に立ち入りましたが、これほどまでにゴージャスでおいしい料理は初めてです。しかも、立食バフェスタイルですから、つまり食べ放題です。このイベントは秋のフェスティバルだけのものですが、来年以降、私は毎年このイベントにワイナリーの係りとして試飲カウンターを運営することにしました。



私たちのような、いわゆるワイナリーとしてお客さんをもてなす側は、試飲カウンターに常駐し、ワインをサーブすることが仕事です。しかし、そこはカナダのおおらかさで、ワイナリーの私たちもお客さん同様に料理を食べることが自由にできます。さっそく、私が目を付けたのが魚料理でした。
目の前でシェフが丁寧に焼いてくれたハリバット(左)とサーモン(右)です。どちらも絶妙なバランスのソースが添えられていて、今までにこんな美味しい焼き魚料理を食べた記憶がありません。この他に、繊細な味の肉料理も大変多かったのですが、あまりの美味しさに写真を撮ることを忘れてしまいました。このイベントは料金と内容で考えると大当たりですね。



他のワイナリーのスタッフたちとは、すぐに意気投合します。自分たちもフェスティバルを楽しもうとする気持ちが強いのです。ワイナリーは全部で20社が参加をしており、それぞれのワイナリーのスタッフは、お互いのワインを飲み比べながら、「これは美味しい。」、「これよりあっちが美味しい。」という具合に、むしろお客さん以上に楽しんでいるようにすら感じました。この写真に写っているのは、それぞれのワイナリーのスタッフの人たちですが、実際には仕事と言うよりもお客さんと一緒に楽しんでいるという感じなのです。写真の左から2人目が私。



ワインフェスティバルのイベントは大半が夜の部に集中します。ワイナリーとレストランが組み、いわゆるスペシャル料理を提供することが中心となります。そんな中で、非常に貴重なのが、このようなワインランチ、つまり昼食のイベントです。料理は夜のディナーに比べるとお昼らしく質素ですが、しかし肉と野菜をふんだんに使った手の込んだ内容です。これは、セントヒューバータスワイナリーのランチイベントですが、いつもは樽がおかれている倉庫を利用した一風変わった趣向のものです。このイベントには、このワイナリーのファンの方たちで毎年あっという間に予約が埋まってしまいます。



ワインフェスティバルの終盤は、ペンティクトン市の貿易センターで開催される一般の試飲会です。オカナガン地区最大のコンベンションセンターの大ホールを使うため、2000人ちかい人が集まります。ワイナリーはオカナガン地区の40社あまりが参加し、来場者にワインをサーブします。
もちろんメインはワインで、おつまみ程度にチーズとパンが出されますが、至ってシンプルな内容ですから、このイベントには毎年、日本人観光客の方も来られています。日本からお問い合せを頂く機会が多いのですが、結局のところ、値段的な手軽さと、チケットが取りやすいことを考えると、このペンティクトン会場の試飲会が一番参加しやすいのかもしれません。



10月8日の試飲会が、一番多くのお客さんが集まりますから、私たちワイナリー側は、この日、5名の人員を配置しました。写真の一番右から、オーナーのアンディ氏、ワイン醸造管理責任者のクリスティンさん、ブドウ畑管理責任者のビクター氏、バンクーバー地区販売担当のレイメン氏、そして私です。この夜が終わり、「やれやれ、今年も無事に終わったねえ。」と皆で乾杯して忙しかったワインフェスティバルも幕となりました。さて、次は1月のアイスワインフェスティバルです。アイスワインフェスティバルの会場は、ケロウナ市から車で3時間以上離れたスキーリゾートで開催されますから、今度は一体、だれが係りになるんでしょうか? 私は2001年の冬に担当で現地に派遣されたので、そろそろ私の順番なのかな?

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